小学校受験と
幼児教育の
専門メディア

子どもの指先がカラフルなビーズにひもを通す卓上シーン。折り紙と一緒に家でできる巧緻性遊びを紹介
公開日:

巧緻性を伸ばす指先遊び5選、ひも通し・折り紙はおうちで今日から始められる

はてなブックマーク LINE twitter facebook

雨の日に子どもが「なにもすることがない」と言う。折り紙を渡してみたけれど、角がずれてしまってすぐ飽きてしまった——そんな経験はありませんか。

実は、折り紙やひも通しは「楽しく指先を動かす遊び」であると同時に、幼児期に育てておきたい「巧緻性」を自然に伸ばす家庭遊びの定番です。この記事では、家にある材料ですぐ始められる指先遊びを5つ厳選し、遊び方の手順と声かけのコツを具体的にご紹介します。

この記事でわかること
– 巧緻性とは何か、なぜ幼児期に大切なのか
– ひも通し・折り紙・その他の指先遊びの実践ステップ
– 安全に遊ぶための注意点
– 遊びを通じた受験・幼児教育とのつながり


巧緻性とは——指先を「思い通りに動かす力」のこと

「巧緻性(こうちせい)」とは、手や指先を細かく正確に動かす能力のことです。ハサミで紙を切る、鉛筆で字を書く、ボタンをとめる、折り紙を折るといった日常のあらゆる動作に関わっています。

文部科学省の幼稚園教育要領(平成29年告示)では、幼児期の「表現」領域において「いろいろな素材に親しみ、工夫して遊ぶ」「かいたり、つくったりすることを楽しみ、遊びに使ったり、飾ったりなどする」ことが示されています。※1

また、厚生労働省の保育所保育指針(平成29年告示)でも、3歳以上の子どもの保育内容として「いろいろな素材に親しみ、工夫して遊ぶ」「かいたり、つくったりすることを楽しむ」ことが示されており、素材に触れる遊びや製作活動が幼児期の育ちの柱の一つとして位置づけられています。※2

文部科学省の「幼児期運動指針」(平成24年3月策定)では、幼児期に持つ・運ぶ・積むといった「用具などを操作する動き」は4〜5歳ごろから発達が見られるとされており、日常の遊びを通じた多様な動きの習得の重要性が強調されています。※3

巧緻性の発達スピードや得意なことはお子さまによって大きく異なります。「うちの子は不器用だから」と焦る必要はなく、遊びを通じて少しずつ積み重ねることが大切です。


安全に遊ぶために知っておきたいこと

指先遊びを始める前に、安全に関する注意事項を確認しておきましょう。

誤飲・誤嚥への注意(ひも通しのビーズ・小部品)

消費者庁の注意喚起資料によると、「子どもの口の大きさは直径約4cm。これより小さいものは子どもの口の中に入り、誤飲の原因になる可能性がある」とされています。※4

ひも通しで使うビーズや木のパーツは小さいものが多く、3歳未満の子どもが口に入れると窒息・誤飲の危険があります。遊ぶ際は必ず保護者が付き添い、使用後は子どもの手が届かない場所に片付けましょう。

ハサミを使う場合

ハサミは必ず「子ども用の刃先が丸いタイプ」を使用し、保護者の目の届く範囲で取り組みましょう。使用後はキャップを付けて子どもの手が届かない場所に保管します。


指先遊び5選——今日からできる実践ガイド

ひも通し・折り紙・洗濯ばさみ・粘土・ハサミが並ぶ卓上俯瞰。家にある材料で今日から始める指先遊び5選

1. ひも通し——巧緻性の基礎トレーニング

なぜおすすめ?

ひも通しは両手の指を協調させながら、ビーズや木製パーツの穴にひもを通していく遊びです。片手でパーツを持ち、もう一方の手でひもを操作するため、両手の動きを連動させる練習になります。

用意するもの

  • ビーズや木製リング(穴の大きめなものから始める)
  • 先端が硬いひも(針金入りの毛糸や市販のひも通し用コードなど)
  • 大き目の皿またはトレイ(パーツが転がらないように)

遊び方・手順

  1. まずは大きめの穴のビーズ(直径2〜3cm以上のもの)を5〜10個用意する
  2. ひもの先をテープで固くしておくと入れやすい
  3. 「ここに入れてみてね」と穴をさし示し、子どもが自分でひもを押し込む
  4. 5個通せたら「1本できたね!」と達成感を声にする
  5. 慣れてきたら、穴の小さいビーズや数を増やしていく

年齢の目安

遊び始めの目安として、穴が大きいビーズは3歳ごろから取り組める子どもが多いですが、個人差があります。できなくても焦らず、「次はどのビーズにする?」と選ぶ楽しさを先に伝えましょう。

安全注意 3歳未満の子どもや、まだ口に入れる癖がある場合はビーズ類の使用を控えてください。万一ビーズを飲み込んだ場合はすぐに医療機関を受診しましょう。


2. 折り紙——角合わせから始める一枚の世界

なぜおすすめ?

折り紙は一枚の紙から立体を生み出す遊びで、指先の力加減・角と角を合わせる精度・折り目をつける動作が同時に求められます。「お手本を見て手を動かす」という観察力と手の連動も自然に鍛えられます。

用意するもの

  • 折り紙(15×15cmの標準サイズから始める)
  • できれば折り紙の本1冊(大きめのイラスト付きのもの)

遊び方・手順(初心者向け・こいのぼりや三角折り)

  1. まず「半分に折る(三角折り・四角折り)」だけを練習する
  2. 「角と角をぴったり合わせてみよう」と声をかけながら一緒に折る
  3. 「ここを押さえながら折ってみて」と指で押さえる位置を見せる
  4. きれいに折れたら爪で折り目をなぞる「しごく」動作を教える
  5. 慣れてきたら「何回でも折り直していいよ」と伝え、自分で考えさせる

おすすめの作品(難易度順)

ステップ 作品例 ポイント
初級 三角折り・四角折り 角と角を合わせる基本を練習
中級 こいのぼり・チューリップ 折り目の組み合わせを覚える
上級 鶴・手裏剣 複数の工程を順番通りに実行する力

声かけのコツ

「上手だね」より「どこを頑張って折ったの?」と工程を振り返る問いかけが、次の集中力につながります。失敗したときは「もう一回やってみる?」と次の行動へ向けて問いかけましょう。


3. 切って貼る・コラージュ遊び——「作る」喜びを最大化する

なぜおすすめ?

ハサミで切る・指でちぎる・糊で貼る一連の動作は、力の入れ方・方向・加減という3つの要素を同時に練習できます。できあがった作品を飾ることで達成感も大きく、繰り返し楽しみやすい遊びです。

用意するもの

  • 子ども用ハサミ(刃先が丸いタイプ)
  • 広告チラシ・包装紙・古い雑誌など(捨てる予定のもので十分)
  • のり(スティックのりが扱いやすい)
  • 画用紙または厚紙(台紙に使う)

遊び方・手順

  1. まずはチラシを手でちぎるところから始める(ハサミ不要・最も簡単)
  2. 好きな色・形の部分をちぎって画用紙に貼る「ちぎり絵コラージュ」を楽しむ
  3. ハサミが使えるようになったら「1回切り(まっすぐ1回だけ切る)」から練習
  4. 切り取った形を台紙に配置して貼る「自分だけの絵」を作る
  5. 完成したらどこかに飾って「これ、○○ちゃんが作ったね」と言葉にする

4. 洗濯ばさみ遊び——道具を使いこなす力を日用品で育てる

なぜおすすめ?

洗濯ばさみを開いて・はさんで・外す動作は、指先で道具を操作する力(道具操作の巧緻性)の基礎練習になります。100円ショップで手に入る材料だけで始められるシンプルさも魅力です。

用意するもの

  • 洗濯ばさみ(子どもが開けられる強さのもの・10〜15個)
  • 段ボール箱の縁や厚紙(はさむ台にする)

遊び方・手順

  1. 洗濯ばさみを一つ見せ「こうやって開けてはさむよ」と実演する
  2. 段ボール箱の縁に次々とはさんでいく「並べ競争」から始める
  3. 慣れてきたら色別に並べる・数を数えながらはさむなど、工夫を加える
  4. 洗濯ものをほす動作の真似をしてもOK——日常との連続感が出る

所要時間の目安: 10〜15分


5. 粘土遊び・こね遊び——指先全体を使う感触の遊び

なぜおすすめ?

粘土をこねる・丸める・伸ばす・ちぎる動作は、指先全体に均等に力をかけるトレーニングになります。厚生労働省の保育所保育指針では、3歳以上の子どもの保育内容として「いろいろな素材に親しみ、工夫して遊ぶ」ことが示されており、粘土はその代表的な素材のひとつです。※2

用意するもの

  • 油粘土(繰り返し使えて経済的)または小麦粉粘土(手作り可)
  • 下に敷くシート(テーブルが汚れない)
  • 粘土板(なければまな板でも可)

遊び方・手順

  1. まず「ただこねる・丸める」だけで十分。形を作ることより感触を楽しむ
  2. 「ヘビを作ってみよう」と細長く伸ばす動作を促す
  3. 「小さいぼたんを作ってみよう」と指先でつまんで丸める練習へ
  4. 好きな形を自由に作って「これ何に見える?」と会話しながら遊ぶ

指先遊びを長続きさせるための環境づくり

木製の道具箱と保護者・子どもの手が並んで折り紙を折るシーン。毎日続く指先遊びの環境づくり

「遊びコーナー」を固定する

折り紙・ひも通しセット・洗濯ばさみなど、指先遊びの道具を子どもが自分で取り出せる場所に専用の箱を置くと、「今日もやりたい」という習慣につながりやすくなります。

「ちょっとだけ」を大切にする

1回10〜15分でも、毎日続けることが力になります。「もっとやりたい」というタイミングで終わると、翌日も意欲が続きやすいとされています。長時間やらせることよりも、楽しいうちに終わることを心がけましょう。

保護者も一緒に座る

「やってみて」と渡すだけでなく、保護者が隣に座って同じものを折ったりビーズを通したりすると、子どもの集中時間が自然に伸びることがあります。「見守られている」という安心感が、遊びへの集中を後押しします。


今日からできる実践ステップ5つ

  1. 道具箱を一つ作る ——折り紙・ひも通しセット・洗濯ばさみを一箱にまとめて子どもの手が届く場所に置く
  2. 折り紙は「三角折り」から始める ——「角と角をぴったり合わせよう」という声かけ一つで今日から始められる
  3. ひも通しは「大きな穴」のビーズから ——3〜5個を通して一本できたら達成感を言葉にする(3歳以上・必ず大人が付き添う)
  4. チラシちぎりをコラージュに発展させる ——広告チラシと画用紙とのりがあれば準備ゼロで始められる
  5. 「上手だったね」より「どこを工夫した?」 ——結果ではなく過程に声をかけることで、翌日また取り組む意欲が続きやすい

🎓 受験・幼児教育とのつながり

完成したビーズネックレスと折り紙が並ぶ卓上。日常の指先遊びの積み重ねが幼児教育・考査につながる

ひも通し・折り紙は、小学校受験の「巧緻性課題」として出題されることがあります。

首都圏の私立・国立小学校の考査では、「ひも通し」「紙を折る」「工作の手順を見て作る」といった制作・巧緻性の課題が出題される学校もあります。具体的には、お手本を見ながら折り紙を折る、穴に紐を通してリボン結びをする、ハサミで切って台紙に貼るといった課題です。

これらの課題が難しいのは、「一発練習して身につくものではない」という点です。折り紙であれば角をぴったり合わせる精度、ひも通しであれば両手を連動させながら小さな穴に通す集中力——どちらも、日常の遊びの積み重ねによってしか育ちません。

11月の考査(東京・神奈川)を見据えると、今から始めれば約3ヶ月、週に数回続けることで「やったことがある」という経験値が積み上がっていきます。

「受験のために練習させる」と思うと大人も子どもも窮屈ですが、「どうせ折り紙で遊ぶなら、ちゃんと折り方を教えながら一緒にやろう」という感覚で取り組むのがおすすめです。

幼児教室では巧緻性の課題への取り組み方や年齢別の難易度設定を指導している教室もあります。詳しくは幼児教室を探すをご覧ください。

巧緻性の概念や、考査でどのような力が見られるかについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
幼児の巧緻性を育むには?
小学校受験対策「巧緻性」編


まとめ

巧緻性を育てる指先遊びは、特別な教材を買い揃えなくても、折り紙・ひも通し・洗濯ばさみ・粘土・チラシなど、家にあるもので十分に始められます。

大切なのは続けることと、「楽しい」という気持ちを優先することです。子どもが夢中になれる遊びを見つけたら、10〜15分でもいいので毎日続けてみてください。指先の動きは遊びのなかで少しずつ、でも着実に育っていきます。

発達のスピードにはお子さまによって大きな個人差があります。できないことを急かすより、「今日はここまでできたね」と小さな前進を一緒に喜ぶ声かけが、次への意欲につながります。

指先遊びに使えるプリント教材や知育ワークシートは教材ページでも公開しています。あわせてご活用ください。


参考資料

  1. 文部科学省「幼稚園教育要領(平成29年3月告示)」(最終確認日: 2026年8月13日)
  2. 厚生労働省「保育所保育指針(平成29年告示)」(最終確認日: 2026年8月13日)
  3. 文部科学省「幼児期運動指針(平成24年3月)」(最終確認日: 2026年8月13日)
  4. 消費者庁「Vol.544 おもちゃなど小さなものを誤飲する事故に注意!」(最終確認日: 2026年8月13日)
プレ・エデュ編集部

Pre edu編集部

Pre eduの企画・執筆・編集をしています。小学校受験や幼児教育に関する情報をお届けします。

Read more