秋分の日の由来を子どもと学ぼう、おはぎ作りと季節の言葉で深まる親子時間
「秋分の日ってどんな日?」と子どもに聞かれたとき、うまく答えられるか不安に思う保護者の方も多いのではないでしょうか。
実は、秋分の日とお彼岸は、子どもの「季節の知識」と「家族の絆」を同時に育てる絶好の機会です。おはぎを一緒に作りながら、二十四節気の言葉や先祖を敬う意味を自然に伝えられます。
この記事でわかること:
- ・秋分の日の由来と2026年の日付
- ・お彼岸・おはぎ(ぼたもち)の意味と親子に伝えやすい説明
- ・子どもと一緒に楽しむ具体的な活動(おはぎ作り・季節の言葉あそび)
- ・今日から始められる実践ステップ 4つ
- ・小学校受験・幼児教育とのつながり
秋分の日とは何か——天文学と法律の両側面から
秋分の日は毎年9月22〜24日ごろに訪れる国民の祝日です。2026年は9月23日(水曜日)です。※1
なぜ毎年日付が変わるの?
春分の日や秋分の日は、カレンダーに固定された日付ではありません。国立天文台が太陽の動きをもとに計算し、前年の2月1日に「暦要項(れきようこう)」として官報で公表することで正式に決定されます。※2
天文学的には、太陽が通る道(黄道)と地球の赤道を空に延ばした「天の赤道」が交わる点を「秋分点」と呼びます。太陽がちょうどこの点を通過する瞬間が秋分で、その日が秋分日となります。このため年によって日付がわずかにずれるのです。
子どもへの伝え方の例:「地球が太陽のまわりをぐるっと回っているんだよ。秋分の日は、昼と夜がほぼ同じ長さになる特別な日なの。」
法律が定めた「祖先を敬う日」
国民の祝日に関する法律は、秋分の日の意義を「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」と定めています。※3
お正月や七夕などの行事に比べると、子どもには少しむずかしい「祖先を敬う」という概念ですが、お彼岸を通じて家族で話し合うことで、少しずつ身に付いていきます。
お彼岸の意味——なぜ「彼岸」というの?
「彼岸(ひがん)」とはもともと仏教の言葉で、煩悩(ぼんのう)を離れた悟りの世界、すなわち「あの世・悟りの岸」を意味します。対して「此岸(しがん)」は、私たちが今いる現実の世界です。
春分・秋分は、太陽が真東から昇り真西に沈む日です。古来、西方(にしのかた)にあるとされる「彼岸(浄土)」に近づく特別な時期として、先祖の供養を行う風習が広まってきたと伝えられています。
お彼岸の期間はいつ?
お彼岸の期間は、秋分の日(9月23日)を中日として、前後3日ずつ、合計7日間とされています。
子どもへの伝え方の例:「お彼岸は、おじいちゃんやおばあちゃんのさらに前の、ずっと昔のご先祖様にありがとうって気持ちを伝える時期なんだよ。」
おはぎ(ぼたもち)の由来——名前が変わるって知ってた?
おはぎとぼたもちは、実は同じ食べ物です。もち米とうるち米を混ぜて丸め、あんこやきな粉・すりごまをまとわせた行事食で、お彼岸のお供え物として古くから親しまれてきました。
名前が違う理由
(諸説ありますが、以下のような説が広く知られています)
| 呼び名 | 季節 | 由来となった花 |
|---|---|---|
| ぼたもち | 春のお彼岸 | 牡丹(ぼたん)の花 |
| おはぎ | 秋のお彼岸 | 萩(はぎ)の花 |
春は牡丹の花が咲く季節、秋は萩の花が咲く季節。それぞれの花に見立てて名前が付けられた、という説が広く伝わっています。おはぎは秋の行事食なので、9月のお彼岸に食べるのが「おはぎ」になります。
子どもへの伝え方の例:「同じ食べ物なのに、春と秋でお名前が変わるんだよ。春は牡丹の花に似せてぼたもち、秋は萩の花に似せておはぎって呼ぶの。どちらの花も見たことある?」
なぜお供え物にするの?
小豆(あずき)の赤い色は、古来から邪気を払う力があると伝えられてきました。大切なご先祖様にお供えするのにふさわしい食べ物として、お彼岸に定着したとされています。
子どもと一緒におはぎを作ろう——食育と巧緻性を同時に育む

おはぎ作りは、幼児期の子どもでも工程の一部を担えます。丸める・包む・転がすという手先の作業は、指先を使う良い機会になります。
食物アレルギーに関する注意(重要):
おはぎにはもち米・あずき・きな粉・ごまなどが使われます。これらはアレルギーを起こす可能性がある食材です。お子さまに食物アレルギーの診断がある場合や、初めて食べる食材がある場合は、必ずかかりつけ医にご相談のうえで進めてください。初めての食材は少量から試すのが原則です。
もち米の誤嚥(ごえん)に関する注意:
もち米を使った食品は粘り気が強く、特に小さなお子さまは誤嚥(食べ物が気管に入ること)のリスクがあります。食べるときは必ず保護者の方が傍に付き、小さく切るなど食べやすいサイズに調整してください。
子どもが担える工程(年齢の目安)
2〜3歳ごろ:
ラップの上に広げたご飯を見守りながら、一緒に「まるまる」と声をかけて丸める動作を楽しむ。
4〜5歳ごろ:
あんこやきな粉を付ける工程、ラップでご飯を丸める工程をお手伝い。
6歳以上:
材料の計量を手伝ったり、仕上げのトッピングを担当したりと、より幅広い工程を担える。
なお、お子さまの発達には個人差があります。上の目安はあくまで参考で、お子さまのペースに合わせて工程を選んでください。
簡単おはぎの基本の流れ(保護者用参考)
- もち米とうるち米を1:1の割合で混ぜて炊く
- 炊きあがったら軽くすりこぎなどでつぶす(全部つぶさず、米粒が少し残る「半殺し」にするとおはぎらしい食感になる)
- ラップで一口サイズに丸める
- あんこ・きな粉・すりごまでそれぞれ包む or まぶす
市販のあんこを使えば、工程はさらにシンプルになります。完璧な形でなくても大丈夫。「一緒に作った」という体験が大切です。
幼児教室での製作活動に通じる「手先を使って形を作る」体験にもなりますので、気になる教室の体験レッスンを申し込むきっかけにもなるかもしれません。お近くの幼児教室は幼児教室を探すでご確認いただけます。
季節の言葉を楽しむ遊び——二十四節気を暮らしに取り入れる

二十四節気(にじゅうしせっき)とは、1年を24等分した季節の区切り方です。「春分」「夏至」「秋分」「冬至」などがその代表で、日本の行事や農業の暦として長く使われてきました。
「秋分」の前後には、こんな節気があります:
- ・白露(はくろ):
9月7日ごろ——朝晩の冷え込みで草花に露が宿りはじめる ※1 - ・秋分(しゅうぶん):
9月23日ごろ——昼と夜がほぼ同じ長さ、本格的な秋の到来 - ・寒露(かんろ):
10月8日ごろ——露が冷たくなり、渡り鳥が南へ向かう ※1
遊びで覚える「季節カード」
厚紙や画用紙に節気の名前と絵を描いたカードを作ると、言葉遊びの教材になります。Pre
eduのあきの たべものに ○を つけようは、9つの食べものから秋のもの3つを選んで○をつけるプリントです。お彼岸のぬりえおはぎと あきの はなとあわせてご活用ください。
ことば探しゲームの例:
「秋に関係する言葉を探そう」と声をかけ、子どもが見つけた言葉(もみじ・どんぐり・さつまいも・彼岸花など)をメモして一覧にする。カードに書いてそれぞれ絵を描くと、記憶に残りやすくなります。
絵本で深める:
お彼岸や先祖を敬うテーマの絵本を読み聞かせると、概念の理解が深まります。図書館で司書に「お盆やお彼岸がテーマの絵本」を相談してみるのもよい方法です。
今日からできる実践ステップ
4つ
ステップ1:
カレンダーに秋分の日を書き込む
9月23日のマスに「秋分の日(昼と夜が同じ長さ)」と書き込み、子どもと一緒に確認する。「何日後?」と数えるだけで算数の感覚にもつながります。
ステップ2:
お彼岸の1週間前に計画を立てる
おはぎを作る日・お墓参りや仏壇を飾る日・絵本を読む日など、お彼岸の7日間でやることを家族で話し合ってみましょう。予定を立てる練習は、子どもの段取り力にもつながります。
ステップ3:
「おはぎ作り」を一緒に体験する
上で紹介した工程の中から、お子さまのペースに合ったものを選んで一緒に作りましょう。市販品を盛りつけるだけでも「一緒に準備した」という体験になります。食物アレルギーへの対応は必ず事前に確認してください。
ステップ4:
夕暮れを一緒に観察する
秋分の日は太陽が真西に沈みます。「今日は夕日がきれいに見えるよ、一緒に見に行こう」と誘い、真西に沈む夕日を親子で眺めてみてください。「夕日の沈む方向はどっちだろう?」という問いかけから、方角への興味が育つことがあります。
🎓 受験・幼児教育とのつながり

季節の知識は「体験に紐づいた記憶」として定着する
小学校受験のペーパー考査では、四季の草花・行事・食べ物に関する「季節の常識問題」が頻出です。「秋の食べ物はどれですか」「お月見はどの季節ですか」といった設問は、絵本や体験を通じて自然に覚えた知識が問われます。
特に「行事食」は出題されやすいカテゴリのひとつです。おはぎを一緒に作った体験があれば、「秋のお彼岸に食べるもの」という記憶は絵カードでの暗記よりもはるかに深く残ります。
また、「二十四節気」の概念を小さいうちから親子の会話に取り入れておくと、「日本には季節ごとの言葉がある」という感覚が自然に育まれます。これは小学校の国語・生活科、さらには面接での「好きな季節と理由を教えてください」といった設問にも応用できる素地になります。
さらに、「ご先祖様に感謝する」という家庭での行事への取り組みは、学校の面接で「家庭でどんなことを大切にしていますか」と問われたとき、家族の価値観を自然な言葉で語る材料にもなります。
まとめ——秋分の日は「日本の暦」を親子で味わう日
秋分の日(2026年は9月23日)は、天文学的な秋分点を根拠として国立天文台が毎年決定する祝日です。法律が定めた意義は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」こと。このシンプルな言葉を子どもに伝えるための道具が、お彼岸の風習であり、おはぎという行事食です。
おはぎを一緒に作る、カレンダーで節気を確認する、夕日の沈む方角を観察する——どれも特別な準備は必要ありません。忙しい毎日の中でも、ひとつだけ試してみてください。季節と先祖への感謝を、子どもと一緒に体感する9月になれば幸いです。
参考資料
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国立天文台「2026年の秋分日(暦要項)」(最終確認日:
2026年8月6日) -
国立天文台「春分の日・秋分の日の決め方」(最終確認日:
2026年8月6日) -
内閣府「国民の祝日について」(最終確認日:
2026年8月6日)