点図形(点つなぎ)の教え方|つまずきの直し方と家庭での進め方
この記事でわかること
- ・点図形でつまずくのは「線が引けない」からではないこと
- ・方向ではなく「2つの点」で考えると斜めの線が安定する理由
- ・むずかしさの上げ方(線の向き→点の数→重なり)
- ・家庭で1日1問から進めるやり方
- ・よくあるつまずき5つと、その直し方
点図形は「写す」課題
点が等間隔に並んだ紙の左側に見本の形があり、右側の同じ点の並びに同じ形を写す。これが点図形です。小学校受験の対策では「点図形」「点描写」「点つなぎ」と呼ばれ、いずれも同じ課題を指します。
やることは単純です。しかし実際に取り組ませてみると、線は引けているのに形が違う、途中まで合っているのに最後だけずれる、といったことが起きます。点図形は「線を引く練習」ではなく「見て、覚えて、写す」練習だからです。
つまずくのは「線が引けない」からではない
うまくいかないとき、多くのご家庭で「鉛筆の使い方が下手だから」と考えます。ですが実際のつまずきは、その手前で起きていることがほとんどです。
見本のどの点かを見失う
見本を見て、目を解答欄に移し、鉛筆を下ろす。このあいだに「どの点だったか」が抜け落ちます。点が5×5で25個、6×6なら36個あり、どれも同じ形をしているので、1つ隣に下ろしてもその瞬間は気づきません。
線が1本ずれたまま次を引くと、そこから先はすべてずれます。途中まで合っているのに形が崩れるのは、たいていこれが原因です。
方向で考えてしまう
「右へ2つ」「下へ1つ」と方向で覚えようとすると、タテとヨコの線は引けます。しかし斜めの線になったとたんに崩れます。斜めは「右へ1つ、下へ1つ」を同時に処理しなければならず、覚えることが2つになるからです。
ひとつ飛ばしの斜め(右へ2つ、下へ1つ)まで出てくると、方向で考える方法は限界を迎えます。
手がまだ思うように動かない
点と点のあいだをまっすぐ引く、狙った点で止める。これは手先の細かい動きを必要とします。見えていて、分かっていても、手が追いつかないことはあります。この場合は点図形そのものより、線をなぞる練習を先に重ねるほうが近道です。
「右へ2つ」ではなく「この点からこの点まで」
斜めの線でつまずいているとき、教え方をひとつ変えるだけで安定することがあります。方向ではなく、2つの点で考えさせることです。
手順は4つです。
- ・始まりの点を決める(指で押さえる)
- ・終わりの点を決める(目で確かめる)
- ・その2つをまっすぐ結ぶと決める
- ・方向は考えず、始まりから終わりへ引く
方向で考えると、斜めの傾きが変わるたびに新しい覚え方が必要になります。2つの点で考えれば、傾きが変わっても手順は同じです。「どこからどこまで」だけを見るようにすると、ひとつ飛ばしの斜めも同じ手順で引けます。
声かけも「右にいくつ?」ではなく、「どの点から始める?」「どの点で止める?」に変えてみてください。子どもの目線が方向から点へ移ります。
むずかしさは3段階で上げる
点図形は、上げるところを間違えると急に難しくなります。上げ方には順番があります。
| 段階 | 変えるところ | つまずくところ |
|---|---|---|
| 1. 線の向き | タテヨコだけ→となりへの斜め→ひとつ飛ばしの斜め | 斜めが入ると、どの点までかを読み取る手数が増える |
| 2. 点の数 | 5×5→6×6 | 点が増えると、見本のどの点かを探す手数が増える |
| 3. 形の重なり | 1つの形→2つの形が重なった図 | 線が交わる。交点で切れていると思い込むと形が崩れる |
2つを同時に上げないでください。斜めが入った回に点も増やすと、どこでつまずいたのかが分からなくなります。うまくいかなかったときに一段だけ戻せるよう、変えるところは1回にひとつにします。
Pre eduの練習プリントも、この順番で並べています。
| プリント | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| てんを つないで かこう | タテとヨコの線だけ | 4〜5歳 |
| てんを つないで かこう② | となりの点への斜め線を追加 | 4〜6歳 |
| てんを つないで かこう③ | ひとつ飛ばしの斜め線まで | 5〜6歳 |
| てんを つないで かこう④ | 点を6×6に増やす | 5〜6歳 |
| かさねて かこう | 2つの形が重なった図 | 5〜6歳 |
家庭での進め方
1日1問でいい
1枚に6問あっても、全部やる必要はありません。1問できたら今日はおしまい、で構いません。点図形は集中が切れた状態で続けても、ずれた線が増えるだけです。
むしろ短く終えて「できた」で終わるほうが、翌日また紙に向かいます。
始まりの点を指で押さえる
鉛筆を持つ前に、書きはじめの点を反対の手の指で押さえてもらいます。目を離しても場所が残るので、見失いが減ります。点が増えたときほど効きます。
定規は使わない
線がゆれても、端の点と点が合っていれば十分です。まっすぐ引くことより、正しい点で止まることを優先してください。
答え合わせは本数で
大人が採点すると、どうしても「違う」と言う場面が増えます。Pre eduのプリントは問題番号の横に線の本数を書いてあるので、書き終わったあとに自分で数えて見比べられます。数が合っていれば、ひとまず正解です。
よくあるつまずきと直し方
途中まで合っているのに、後半がずれる
どこかで1本ずれています。最初から描き直すより、見本と解答を1本ずつ見比べて、ずれ始めた線を見つけるほうが早く直ります。そこから先だけ消せば済みます。
斜めの線だけ苦手
方向で覚えている可能性があります。「どの点から始める?」「どの点で止める?」と、2つの点を口に出して確かめてから引かせてみてください。
線が点に届かない・行き過ぎる
手の動きが追いついていない段階です。点図形を続けるより、せんを なぞろうのように、なぞる練習を挟むほうが結果的に早く進みます。
運筆について、目的や苦手な原因、教え方を詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
運筆は必要?運筆の目的やメリット、苦手な原因、教え方について解説
重なった形が崩れる
線が交わるところで切れていると思い込んでいることが多いです。1本の線は、途中で別の線と交わっても端から端まで1本だと伝えてください。見本の線を1本ずつ指でたどると、分かれて見えていた形がつながります。
すぐに「できない」と言う
1問が長すぎるのかもしれません。線の本数が少ない問題から始め、4〜5本で終わる問題を選んでください。できた経験のほうが先に必要です。
🎓 受験・幼児教育とのつながり
点図形は、小学校受験の図形課題として扱われる形式のひとつです。ただ、この課題で見られているのは図形の知識ではありません。見本をよく見て、覚えて、そのとおりに再現するという一連の手続きです。
この力は、指示を聞いて動く場面や、手順のある作業にそのまま重なります。点図形の練習は、図形の対策であると同時に、「見て、覚えて、やってみる」の練習でもあります。
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まとめ
点図形でつまずくとき、原因は「線が引けない」ことより「どの点か分からなくなる」「方向で考えている」ことにあります。
斜めで崩れるなら、方向ではなく「この点からこの点まで」に切り替えてみてください。手順が1つで済むようになります。
むずかしさは、線の向き・点の数・形の重なりの順で、1回にひとつだけ上げます。同時に2つ上げると、どこでつまずいたのかが分からなくなります。
そして、1日1問で構いません。短く終えて「できた」で終わるほうが、次の日も紙に向かいます。