私立小学校の入学金と併願戦略|首都圏91校データで見る「併願校」のお金【2026年度】
本記事の学費・納付金は2026年7月31日時点で各校公式サイトの募集要項等を確認した金額です。改定される場合があります。最新情報は必ず各校の公式サイト・募集要項でご確認ください。
この記事でわかること
- ・入学手続時納付金とは何か(入学金・施設費等との関係)
- ・首都圏91校の入学金データ(金額帯・都道府県別の分布)
- ・入学金は辞退したら返ってくるのか(返還の原則と例外)
- ・「併願校」をお金の面からどう考えるか
- ・複数校受験の場合に手元に置いておく資金の考え方
合格通知を受け取ったあと、保護者が最初に直面するのが「入学手続時納付金の振り込み」です。第一志望の結果が出る前に併願校の入学金を支払わなければならないケースもあり、手元に用意しておく資金の目安を事前に把握しておくことが大切です。
この記事では、本サイトが2026年7月31日時点で収集した首都圏91校の公式募集要項データをもとに、入学手続時納付金の実態と、お金の観点から見た併願の考え方をまとめます。
入学手続時に必要なお金の全体像
「入学手続時納付金」とは
「入学手続時納付金」とは、合格通知を受け取った後、入学の意思を確定させる手続きの際に納める金銭の総称です。学校によって含まれる費目は異なりますが、一般的に次の費目で構成されます。
| 費目 | 内容 |
|---|---|
| 入学金 | 入学資格を取得するための一時金。ほぼすべての私立小学校で設定されている |
| 施設費(施設拡充費・施設整備費等) | 学校施設の整備・維持のための費用。入学手続き時に一括納入を求める学校がある |
| その他 | 制服・指定品代、PTA入会金等を入学手続き時に徴収する学校もある |
「入学手続時納付金」は「入学金」と同義で使われることもありますが、正確には入学金はその一部です。入学手続き時の支払い総額を確認する際は、入学金以外の費目が含まれていないかを各校の募集要項で必ず確認してください。
いつ払うのか
私立小学校の合格発表後、入学手続きの締め切りまでに振り込む形が一般的です。締め切りは学校によって異なりますが、合格発表から数日以内に設定されているケースも少なくありません。
複数校を受験している場合、第一志望の合否が出る前に併願校の入学手続きが締め切られることがあります。この場合、併願校の入学手続時納付金を支払ってから第一志望の結果を待つという判断が必要になります。
受験料(出願料)との違い
受験料(出願料)は、出願・選考を受けるために支払う費用であり、合否にかかわらず返金されません。入学手続時納付金は合格後に発生する費用で、性質が異なります。
受験期全体の費用(服装・願書写真・模試代など)を含む小学校受験のお金について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
【2026年度】首都圏私立小学校の学費一覧と初年度納付金ランキング
首都圏91校の入学金データ(本サイト調べ)
都道府県別の統計
本サイト調べ(91校・2026年7月31日確認)による都道府県別の入学金データです。※1
| 都道府県 | 集計校数 | 最小 | 最大 | 中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 51校 | 100,000円 | 400,000円 | 270,000円 |
| 神奈川県 | 27校 | 80,000円 | 400,000円 | 250,000円 |
| 千葉県 | 8校 | 100,000円 | 230,000円 | 180,000円 |
| 埼玉県 | 5校 | 250,000円 | 300,000円 | 250,000円 |
| 全体 | 91校 | 80,000円 | 400,000円 | 250,000円 |
首都圏全体の中央値は250,000円です。最小は神奈川県の80,000円から最大400,000円まで幅があります。なお、99校中6校は公式サイト上で入学金が非公表、2校は現在募集停止のため、合計8校を集計から除いています。非公表の学校については推定しておらず、各校の募集要項でご確認ください。
入学金の金額帯別校数
91校の入学金を金額帯別に分けると、次の分布になります。※1
| 金額帯 | 校数 |
|---|---|
| ~99,999円 | 1校 |
| 100,000円~199,999円 | 7校 |
| 200,000円~249,999円 | 24校 |
| 250,000円~299,999円 | 23校 |
| 300,000円~349,999円 | 31校 |
| 350,000円~400,000円 | 5校 |
300,000円~349,999円帯が最多の31校を占めます。うち300,000円ちょうどの学校が最も多く、学習院初等科・暁星小学校・青山学院初等部など複数の学校が該当します。250,000円以上の学校が全体の65%以上を占めており、入学金の水準として25〜30万円を想定しておくと参考になります。
入学手続き時の「施設費等」にも注意
入学金のほかに、入学手続き時に施設費等の一括納入を求める学校があります。入学手続き時の支払い総額は、入学金だけでなくこうした費目も含めて確認することが重要です。各校の募集要項の「入学手続時に納める費用」の欄で、費目ごとの金額と支払いスケジュールを確認してください。
入学金は返ってくるの? 辞退した場合の取り扱い

原則:一旦納入した入学金は返還されない
ほとんどの私立小学校では、一旦納入した入学金は入学辞退の場合でも返還されません。各校の募集要項にもその旨が明記されています。
たとえば本サイトが確認した学校のうち、晃華学園小学校の募集要項には「一旦納入された諸費用、並びに寄付金はお返しいたしません。」と記されており、サレジアン国際学園小学校の募集要項にも「一旦納入した入学金は、返金はいた…」と同趣旨の記載があります。※1
「入学を辞退した場合に入学金を返さなくてよいか」については、最高裁判所が法的な判断を示しており、入学の意思確定のための「入学金」としての性質上、原則として返還義務はないという立場が広く知られています。
学校債は卒業時に返還されるケースがある
入学金そのものとは別に、学校によっては学校債を発行しているケースがあります。学校債は学校への貸付金的な性格を持ち、卒業時に返還される場合があります。
たとえば桐朋学園小学校では、学校債1口10万円(任意)について「卒業時返還」(無利子)と案内しています。※1
ただし、学校債はあくまで任意のものであり、また「返還」の条件・手続きは学校によって異なります。入学を検討する際は各校の募集要項で個別に確認してください。
施設費等の取り扱い
入学手続き時に施設費等を一括で納入した場合、辞退の際にこれが返還されるかどうかも学校によって異なります。一部の学校では全額返還しない旨を明記しているケースがある一方、返還の取り扱いが記載されていない学校もあります。入学手続き前に各校の募集要項で確認することをお勧めします。
「併願校」の選び方——お金の観点から

「併願校」とは
小学校受験における「併願校」とは、第一志望校とあわせて出願する学校のことです。第一志望校に合格できなかった場合に備えて確保しておく、という位置づけで受験するのが一般的です。併願校に合格して入学手続きをした後、第一志望の合否を待つというのが一般的な流れです。
入学手続時納付金の負担を見据えた選択
併願校を選ぶ際、お金の観点で押さえておきたいのが「もし入学しなかった場合、入学手続時納付金は戻ってこない」という点です。第一志望に合格した場合、併願校に支払った入学手続時納付金は手元に戻りません。
これを前提に考えると、併願校を選ぶ際に入学手続時納付金の水準を確認しておくことは、家計の計画を立てる上で合理的な判断といえます。
ただし、入学金の高低と学校教育の内容や質は直接関係しません。 入学金は学校の収支構造や歴史的な経緯によるもので、入学金が少ない学校が劣るわけではなく、入学金が高い学校が優れているわけでもありません。
入学後の学費(年間授業料等)とのバランス
併願校を選ぶ際は、入学手続時の一時金だけでなく、もし実際に入学することになった場合の年間授業料・施設費等も念頭に置くことが大切です。
入学手続時納付金が少なくても、入学後の年間費用が高い学校もあります。入学金のみで併願校を選ぶのではなく、入学後の6年間の費用も含めて総合的に検討することをお勧めします。
入学後の6年間の総費用について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
私立小学校の学費は6年間でいくら?平均・内訳を本サイト調べで解説【2026年度】
また、入学金や施設費等の詳細は各校の公式サイトで確認できます。在籍校が掲載された「私立小学校を探す」データベースもあわせてご活用ください。
私立小学校を探す|首都圏の私立小学校一覧
何校受験する場合、いくら手元に置けばいい?
「合格してから払う」のタイムライン
入学手続時納付金は、合格通知を受け取ってから初めて発生します。複数校を受験する場合でも、全校同時に支払いが発生するわけではありません。受験スケジュールと合格・手続きの時系列を整理しておくことが重要です。
一般的な流れの例(学校によって異なります):
- A校に出願・受験 → 合格 → 手続き期限内に入学金を支払う
- B校(第一志望)に出願・受験 → 合格 → 入学手続きをする
- A校(併願校)への入学を辞退 → 入学金は返還されない
この場合、手元に必要な資金はA校とB校それぞれの入学手続時納付金(入学金+施設費等)を合算した金額です。ただし実際にはB校の合否が確定してからA校に辞退連絡をする場合も多く、複数校の入学金が同時に「支払済み」の状態になる期間が生じます。
手元資金の目安(入学金ベースのモデル)
本サイト調べ(91校・2026年7月31日確認)のデータをもとに、受験校数別の入学金の参考モデルを示します。※1
| 受験パターン | 最大で必要になりうる入学金合計 | 参考 |
|---|---|---|
| 1校のみ | 最大400,000円 | 合格した1校分 |
| 3校受験(うち1校が併願校) | 最大800,000円 | 併願校+本命の2校分が重なるケース |
| 5校受験(うち2校が併願校) | 最大1,200,000円 | 併願校2校+本命の3校分が重なるケース |
※上記はあくまで「最大入学金×重なりうる校数」の参考モデルです。実際の支払いは受験スケジュールと合格タイミングによって大きく変わります。自校の受験スケジュールに合わせて計画を立ててください。
入学金以外にも施設費等が入学手続き時に発生する学校がある点、また受験料(出願料)は受験前に別途必要である点も忘れずに確認してください。
国立小学校を組み込むと入学金ゼロ
国立小学校(国立大学附属小学校)は、法令の規定により入学金を徴収しません。選考にかかる検定料は各校の募集要項に記載されます。入学後も授業料は基本的に無料です。受験の選択肢に国立小学校を加えることで、併願校を確保しつつ入学手続時の費用負担を抑えられる可能性があります。
国立小学校の費用について、授業料・受験料・実費の内訳を詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
国立小学校の費用まとめ|授業料・受験料・実費の内訳【首都圏9校・2026年度確認】
FAQ
Q1. 入学金はいつ払うのですか?
合格通知を受け取った後、各校が定める入学手続きの締め切り日までに振り込むのが一般的です。締め切りまでの期間は学校によって異なります。複数校を受験する場合、第一志望の合否が確定する前に他校の手続き締め切りが来ることがあるため、各校の入学手続きスケジュールを事前に確認しておくことが大切です。
Q2. 入学金は絶対に返ってきませんか?
ほとんどの私立小学校では、一旦納入した入学金は入学辞退の場合でも返還されません。入学の意思確定のための費用という性格上、最高裁判所の判断としても原則として返還義務はないことが広く知られています。入学手続き時に施設費等を一緒に納入した場合のその取り扱いは学校によって異なるため、事前に各校の募集要項でご確認ください。
Q3. 「併願校」に払った入学金は無駄になりますか?
第一志望校に合格して併願校への入学を辞退した場合、併願校に支払った入学金は返還されないため、手元に戻りません。ただし、これは「合格という選択肢を確保した費用」と捉えることもできます。どの学校に入学するかを選べる状態を作るための費用として、受験計画を立てる段階で織り込んでおくことが大切です。
Q4. 国立小学校は入学金がないって本当ですか?
国立小学校(国立大学附属小学校)は、「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」に基づき、入学金(入学料)を徴収しないことが原則とされています。※2
受験の選考には検定料が発生しますが、これは入学金ではなく選考のための費用です。検定料の金額は学校ごとに異なり、各校の募集要項に記載されています。詳細は各校の公式サイト・募集要項でご確認ください。
Q5. 入学手続時納付金が高い学校は、入学後の授業料も高いのですか?
必ずしもそうではありません。入学手続時納付金(入学金等)と入学後の年間授業料・施設費は、それぞれ独立した費目です。入学金が少なくても年間授業料が高い学校もあれば、その逆のケースもあります。学校ごとに費目ごとの金額を確認し、入学時一時金と入学後のランニングコストの両方を見た上で検討してください。
参考資料
- 本サイト「私立小学校を探す」データベース(首都圏91校・各校公式サイト掲載の募集要項から集計・2026年7月31日確認)(最終確認日: 2026年7月31日)
- 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(昭和28年文部省令第16号)(最終確認日: 2026年7月31日)
本記事の学費・納付金は2026年7月31日時点で各校公式サイトの募集要項等を確認した金額です。改定される場合があります。最新情報は必ず各校の公式サイト・募集要項でご確認ください。