私立幼稚園の費用と補助金|無償化+自治体上乗せの計算【2026年度】
この記事でわかること
- ・私立幼稚園に通うと年間いくらかかるか(学校教育費・学校外活動費の内訳)
- ・幼児教育・保育の無償化で何円戻ってくるか(上限額・対象要件)
- ・自治体の上乗せ補助はどこで調べればよいか
- ・無償化適用後の実質負担の計算方法(モデルケース)
結論:無償化適用後の実質負担の目安
私立幼稚園の費用は、幼児教育・保育の無償化(2019年10月開始)により、保育料(授業料)の一部または全額が給付されます。ただし通園送迎費・食材料費・行事費などは保護者負担のままです。
以下の早見表は、2025年度(令和5年度)の文部科学省統計データと、こども家庭庁が定める無償化の上限額を組み合わせた目安です。※1
| 費目 | 年間金額(統計値) | 無償化による軽減 |
|---|---|---|
| 学校教育費(授業料・入学金等含む) | 154,062円 | 上限月額25,700円(年間最大308,400円)を上限に給付※2 |
| 学校給食費 | 35,741円 | 原則対象外(保護者負担)※2 |
| 学校外活動費(習い事・体験活動等) | 157,535円 | 対象外(保護者負担)※2 |
| 合計(学習費総額) | 347,338円 | 実質負担は園・世帯・自治体により異なります |
(注)学習費総額は令和5年度統計の平均値であり、実際の負担額は園・地域・世帯の状況により異なります。学校教育費の全額が授業料とは限らず(入学金・通学関係費等を含む)、無償化給付は授業料相当額を対象としています。自治体の上乗せ補助がある場合はさらに軽減されます。
数値の出典:
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(令和6年12月25日公表・令和8年1月16日訂正版)※1
/ こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化」(上限月額)※2
私立幼稚園の年間費用の内訳
学習費総額は年間約34万7千円(令和5年度・統計平均)
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によると、私立幼稚園に通う子ども1人あたりの年間学習費総額は
347,338円 です。※1
公立幼稚園(184,646円)と比較すると、私立幼稚園は約1.9倍にあたります。※1
学習費は「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」の3区分で構成されています。
学校教育費:154,062円(学習費総額の44.4%)
学校教育費は、幼稚園に通うために直接かかる費用です。私立幼稚園の内訳(年間)は以下のとおりです。※1
| 費目 | 金額(年間) | 構成比 |
|---|---|---|
| 授業料 | 40,166円 | 26.1% |
| 通学関係費(制服・通園用品等) | 39,878円 | 25.9% |
| 学校納付金等(施設費・PTA会費等) | 21,033円 | 13.7% |
| 図書・学用品・実習材料費等 | 16,996円 | 11.0% |
| 入学金等 | 15,722円 | 10.2% |
| 修学旅行費等 | 3,955円 | 2.6% |
| 教科外活動費 | 3,727円 | 2.4% |
| その他 | 12,585円 | 8.2% |
| 合計 | 154,062円 | 100% |
(資料)文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」※1
授業料(40,166円)が最大の費目ですが、通学関係費(制服・通園用品・交通費等)も同水準で大きな比重を占めています。入学金等は在園期間中に一度かかるものであり、統計は1年あたりの平均値として計上されています。
学校給食費:35,741円(10.3%)
給食費・おやつ代などが含まれます。無償化制度では原則、保護者負担となります。ただし、年収360万円未満相当世帯および第3子以降は副食費(おかず代)が免除される場合があります。※2
学校外活動費:157,535円(45.4%)
学校外活動費は、自宅学習費・家庭教師・体験活動・習い事などの費用です。私立幼稚園ではスポーツ・レクリエーション活動費や補助学習費などが上位を占めています。※1
この費用は幼稚園が直接関与するものではなく、各家庭の選択による支出です。
3年間合計では約104万円(令和5年度)
同調査の「幼稚園から高等学校卒業までの15年間の学習費総額」における私立幼稚園の3年間合計は
1,038,087円 です(令和5年度)。※1
公立幼稚園の3年間合計(532,177円)と比較すると、私立幼稚園は約2倍の水準です。※1
幼児教育・保育の無償化とは

2019年10月にスタートした制度
幼児教育・保育の無償化は、2019年(令和元年)10月1日に始まった制度です。幼稚園・保育所・認定こども園等を利用する3歳から5歳までの全ての子どもの利用料を原則無償化します。※2
私立幼稚園が対象となる仕組み
私立幼稚園は2種類の制度区分があります。
子ども・子育て支援新制度に移行した幼稚園(施設型給付)
- ・利用者負担額(保育料相当)は市区町村が決定し、直接減額されます
- ・3〜5歳は原則として利用者負担額がゼロになります
子ども・子育て支援新制度に未移行の幼稚園(施設等利用給付)
- ・保護者がいったん保育料を園に支払い、後から市区町村に申請して給付を受ける方式です
- ・上限額は月額25,700円(年間換算で最大308,400円)です※2
いずれも対象となる期間は、満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間です。※2
無償化の対象外になる費用
以下の費用は無償化の対象外で、保護者負担となります。※2
- ・通園送迎費
- ・食材料費(給食費・おやつ代)—
ただし条件を満たす世帯は副食費が免除 - ・行事費
- ・制服代・通園用品費など
預かり保育(延長保育)の無償化
幼稚園の預かり保育は、保育の必要性の認定を受けた場合に限り、月額最大11,300円(日額上限450円×利用日数と実費の低い方)まで無償化の対象になります。※2
預かり保育の無償化を受けるには、市区町村への認定申請が必要です。
手続きの流れ(施設等利用給付の場合)
- 市区町村の窓口で「子育てのための施設等利用給付認定(第1号〜第3号)」を申請する
- 認定証を受け取り、幼稚園に提出する
- 幼稚園に保育料を支払い、領収書を保管する
- 申請に必要な書類(領収書等)を市区町村に提出する
- 給付金が振り込まれる(償還払い方式)
手続き方法は市区町村によって異なります。詳細はお住まいの自治体窓口にご確認ください。
自治体の上乗せ補助

幼児教育・保育の無償化は国が定めた制度ですが、多くの市区町村がこれに上乗せする形で独自の補助を設けています。
上乗せ補助の主な種類
- ・保育料補助の拡大:
第1子・第2子にも保育料の独自補助を行う自治体 - ・認可外保育施設への補助:
認証保育所・認可外施設の利用料を助成する自治体 - ・副食費(給食費)の補助:
国の免除対象外の世帯にも給食費を補助する自治体 - ・幼児教育施設等への補助:
幼稚園型の教育施設利用に対する独自給付
自治体ごとに制度の名称・対象・金額・申請期限が異なります。お住まいの自治体の補助金については、本サイトの各エリア別記事をご参照ください。たとえば東京都では、目黒区が国の無償化に加えて独自の幼稚園補助金制度を設けており、渋谷区は認可外施設への月額2万円補助なども実施しています。このように自治体によって制度内容は大きく異なります。
目黒区・渋谷区の補助金について、金額や対象を詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
【2026年度】目黒区の保育料・幼稚園補助金まとめ|第1子から無償化
【2026年度】渋谷区の幼児教育・保育の補助金まとめ|認可外に2万円
実質負担の計算方法(モデルケース)
ここでは、施設等利用給付(新制度未移行の私立幼稚園)を利用するケースで、無償化適用後の実質負担を考える方法を示します。
計算の考え方
実質負担 = 年間費用(学習費総額)
− 無償化給付額(月額上限25,700円 × 12か月で最大308,400円)
− 自治体の上乗せ補助額
+ 無償化対象外費用(給食費・送迎費・行事費等)
モデルケース:計算の構造(保育料が月額25,700円以内の場合)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年間保育料(授業料) | 各園に要確認 |
| 無償化給付額 | 月額上限25,700円(年間最大308,400円)※2 |
| 保育料の実質負担 | 年間保育料−給付額(上限内なら0円) |
| 給食費(年間) | 各園に要確認(統計平均35,741円)※1 |
| 通学関係費(制服・通園用品等)(年間) | 各園に要確認(統計平均39,878円)※1 |
| 行事費・その他 | 各園に要確認 |
| 実質負担合計 | 保育料実質負担+給食費+通学関係費+その他 |
※金額は各幼稚園の納付金一覧または市区町村の窓口でご確認ください。統計平均値はあくまで参考です。
計算例(数値は仮定):
年間保育料24万円・無償化給付24万円(月2万円×12か月)の場合、保育料の実質負担はゼロ。そこに給食費・通学関係費・その他の実費が加わります。
保育料が無償化上限を超える場合
無償化給付の上限は月額25,700円(年間最大308,400円)です。保育料がこれを超える場合、超過分は保護者負担となります。
例えば年間保育料が360,000円の場合: – 給付額:308,400円 –
保護者負担:51,600円(保育料超過分)+給食費・その他費用
自治体によっては、この超過分に対して独自補助を行っている場合があります。
私立小学校進学後の費用の流れ
幼稚園から小学校へと進む場合、費用の構造は大きく変わります。幼稚園段階での補助金制度は原則として小学校には適用されません(幼児教育・保育の無償化は就学前の制度です)。入学後の費用設計は、各校の公式情報も合わせてご確認ください。
私立小学校の学費について、6年間の総額や内訳を詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。
私立小学校の学費は6年間でいくら?平均・内訳を本サイト調べで解説【2026年度】
よくある質問(FAQ)
Q1.
無償化の申請はいつ、どこでしますか?
入園前または入園後の早い時期に、お住まいの市区町村の窓口(こども家庭課・保育課等)で申請します。申請時期は自治体によって異なるため、入園予定の幼稚園または市区町村窓口に確認することをおすすめします。
施設等利用給付(新制度未移行の幼稚園)の場合は「子育てのための施設等利用給付認定」の申請が必要です。認定を受ける前の利用分は給付されない場合があるため、できるだけ早めに手続きを行ってください。※2
Q2.
保育料以外の費用(給食費・制服代など)も無償化されますか?
原則として無償化されません。通園送迎費・食材料費・行事費・制服代などは保護者負担です。※2
ただし、年収360万円未満相当世帯および第3子以降については、副食費(おかず代)が免除される場合があります。また、自治体独自の補助が給食費等をカバーするケースもあります。お住まいの市区町村の補助制度をご確認ください。
Q3.
無償化の上限(月額25,700円)を超える保育料の幼稚園はありますか?
あります。無償化の給付は月額25,700円が上限であり、それを超える保育料を設定している園では超過分が保護者負担となります。入園前に各園の保育料(授業料)を必ず確認してください。
なお、自治体によっては超過分への独自補助を設けていることがあります。各自治体の補助金情報は本サイトのエリア別記事をご参照ください。
Q4.
預かり保育(延長保育)の費用は無償化されますか?
保育の必要性の認定を受けた場合に限り、一部無償化の対象になります。月額上限は11,300円で、日額上限450円と利用日数の積(または実費)の低い方が適用されます。※2
フルタイム共働きなど、保育の必要性があると認定された場合に申請できます。詳細はお住まいの市区町村の窓口にご相談ください。
Q5.
住民税非課税世帯の0〜2歳の子どもは対象になりますか?
はい。0歳〜2歳の子どもについては、住民税非課税世帯が無償化の対象です。3歳以上は世帯収入に関わらず無償化の対象となります。※2
まとめ
私立幼稚園の年間費用(学習費総額)は統計平均で約34万7千円ですが、このうち無償化で給付される金額(上限月額25,700円)を差し引くと、実際の実質負担は大きく異なります。※1
※2
実質負担を把握するための3ステップ
- 入園予定の幼稚園に「年間の授業料・その他費用の内訳」を確認する
- お住まいの市区町村の無償化・補助金制度を窓口で確認する
- 「授業料の実質負担」+「給食費・制服・行事費等の実費」を合計する
自治体の上乗せ補助を活用することで実質負担はさらに変わります。本サイトのエリア別補助金記事で各自治体の制度をご確認ください。
免責事項
本記事の情報は2026年8月14日時点で、こども家庭庁・文部科学省の公式情報を確認したものです。制度の内容・金額・対象条件は変更される場合があります。申請の際は必ずお住まいの市区町村の公式サイトまたは担当窓口で最新情報をご確認ください。費用の目安はあくまで統計平均値であり、実際の費用は各園・各世帯の状況によって異なります。
参考資料
- 文部科学省「令和5年度子供の学習費調査
結果のポイント(令和6年12月25日公表・令和8年1月16日訂正版)」(最終確認日:
2026年8月14日) - こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化概要」(最終確認日:
2026年8月14日)