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私立・国立・都立小学校の試験対策におすすめの教材と問題集

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小学校受験に向けて幼児教室に通ったり、家庭学習用にさまざまな教材を取り入れたりしているご家庭も多いでしょう。どの小学校の試験内容にも汎用的に対応できる教材やプリントもありますが、志望校が決まってからは、志望校の出題傾向に特化した教材や問題集に取り組むのがおすすめです。この記事では、私立小学校、国立小学校、都立小学校について、それぞれの試験対策とおすすめ問題集をご紹介します。

私立小学校の試験対策

私立小学校の入試対策は、まずは情報収集から始まります。書籍やインターネットで調べるのはもちろん、実際に学校見学に行ったり、通っている幼児教室で出題内容や最近の傾向を聞いたりして情報を集めましょう。

小学校受験では、いわゆる紙の試験用紙に回答するペーパー試験のほか、行動観察、運動、絵画・工作(巧緻性)、面接・口頭試問といった内容が出題されます。
ペーパー試験がない学校は、ノンペーパー校と呼ばれています。ノンペーパー校では運動や絵画・工作、行動観察、面接を重視しているといわれており、プリント学習や問題集以外の対策も必要です。幼児教室に通って出題内容や試験の雰囲気に慣れることはもちろん、日々の生活のなかでも、指示を聞き取る、生活態度を整えるといった地道な取り組みが大切です。

一方、ペーパー試験が課される学校はペーパー校と呼ばれており、「お話の記憶」「図形」「数」「常識」「言語」などさまざまな分野から出題されます。出題傾向は小学校によって異なり、必ずしもすべての項目が出題されるわけではありません。設問が読み上げられ、指示を聞き取りながら答えを解答用紙に書き込む方法が一般的です。私立小学校のうちペーパー校の試験対策としては、これらの出題分野や形式に慣れるためにも、プリントや問題集で繰り返し解くのがよいでしょう。

ここからは、私立小学校の試験対策としておすすめの問題集をご紹介します。

私立小学校のおすすめ問題集・伸芽会 学校別入試問題集

有名小学校合格シリーズ 学校別入試問題集
伸芽会では毎年、有名私立小学校の直近の入試問題を含む過去問題集を出版しています。
私立小学校については、非常に多数の学校別に問題集が出版されています。

女子校:白百合学園小学校、聖心女子学院初等科、東京女学館小学校、立教女学院小学校、日本女子大学附属豊明小学校、田園調布雙葉小学校、雙葉小学校、東洋英和女学院小学部、湘南白百合学園小学校
男子校:暁星小学校
共学校:学習院初等科、慶應義塾幼稚舎、桐朋小学校、桐朋学園小学校、青山学院初等部、国立学園小学校、東京都市大学付属小学校、森村学園初等部・カリタス小学校、慶應義塾横浜初等部、桐蔭学園小学校、開智小学校(総合部)・開智望小学校など

価格は学校によって異なり、3,410円~3,520円です。各学校の入試問題を分析した「傾向と対策」や、入試のシミュレーションに役立つ実践問題も掲載されています。

有名小学校入試問題集
まだ志望校が決まっていない場合は、首都圏の有名小学校や関西圏の主要5校など、エリアや学校別にまとめられた「有名小学校入試問題集」シリーズもおすすめです。例えば、volumeⅠは慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、立教小学校、白百合学園小学校、筑波大学附属小学校ほか首都圏の有名小学校33校の直近の入試問題が収録されています。

私立小学校のおすすめ問題集・こぐま会「過去問とっくん」シリーズ

こぐまオリジナル知育教材 入試対策 「過去問とっくん」シリーズ
最新の入試問題を収録して毎年改訂される年度版の過去問題集です。1ページずつ切り離せるのでお子さまも取り組みやすく、本番の試験を想定したシミュレーションにも適しています。

私立小学校については、17校分を取り扱っています。
女子校:光塩女子学院初等科、白百合学園小学校、聖心女子学院初等科、田園調布雙葉小学校、東京女学館小学校、東洋英和女学院小学部、日本女子大学附属豊明小学校、雙葉小学校、立教女学院小学校、横浜雙葉小学校
男子校:暁星小学校
共学校:学習院初等科、サレジアン国際学園目黒星美小学校、、早稲田実業学校初等部、慶應義塾横浜初等部、洗足学園小学校、江戸川学園取手小学校

価格は学校によって異なり、2,640円~3,410円です。
サイズはA4版で概ね80ページ前後のボリュームがあり、最新の入試分析をまとめたA5版の小冊子もセットになっています。基本的には直近10年分の過去問が収録されています(学習院初等科は直近15年分、江戸川学園取手小学校は直近7年分)。
収録年や学校ごとの発行予定は変更となる可能性があるので、詳しくはこぐま会HPをご覧ください。

国立小学校の試験対策

国立小学校の場合も、私立小学校の入試対策と基本的には同じで、まずは情報収集から始めます。書籍を読んだりインターネットで検索したりするほか、学校見学や幼児教室でも情報を集めましょう。特に、国立小学校の場合は通学区域制限によってそもそも受験できないケースもあるため、募集要項をよく確認しましょう。
国立小学校と私立小学校のお受験の大きな違いは、抽選があることです。試験対策を万全に行っても、抽選で落ちてしまえば受験することができなくなります。万が一の可能性に備えて、第二志望の対策も平行して進める必要があります。

国立小学校では行動観察が重視されており、コミュニケーション能力や積極性、活発性などがみられる傾向にあります。運動や絵画・工作、面接などが出題されやすく、特色のある課題を出題する小学校も少なくありません。例えば、筑波大学附属小学校は運動の試験として「クマ歩き」が出題されることで有名です。
国立小学校にはペーパー試験を課す学校も多く、ペーパー対策は必須といえます。「お話の記憶」「図形」「数」「常識」「言語」などの分野から、いくつかの分野が出題されています。学校によって出題傾向や出題方式は異なり、年度によって変化する可能性があるため、最新の情報を把握しておくことが大切です。
なお、お茶の水女子大学附属小学校と東京学芸大学附属竹早小学校はいわゆるノンペーパー校で、例年ペーパー試験は課されていません。しかしながら、ペーパー試験対策としてプリントや問題集に取り組むことは、入学前の事前学習としても役立ちます。第二志望の対策も兼ねられるので、ほかの試験対策と両立できるような形でプリント学習などを取り入れるのもおすすめです。

国立小学校のおすすめ問題集・こぐま会「過去問とっくん」シリーズ

こぐまオリジナル知育教材 入試対策 「過去問とっくん」シリーズ
最新の入試問題を収録して毎年改訂される年度版の過去問題集です。1ページずつ切り離せるのでお子さまも取り組みやすく、本番の試験を想定したシミュレーションにも適しています。
学校については、筑波大学附属小学校、東京学芸大学附属大泉小学校、東京学芸大学附属小金井小学校、東京学芸大学附属世田谷小学校、広島大学附属小学校の5校の過去問を取り扱っています。価格は学校によって異なり、2,530円~3,300円です。
サイズはA4版で概ね80ページ前後のボリュームがあり、最新の入試分析をまとめたA5版の小冊子もセットになっています。基本的には直近10年分の過去問が収録されています(東京学芸大学附属世田谷小学校は直近15年分、広島大学附属小学校は直近5年分)。
収録年や学校ごとの発行予定は変更となる可能性があるので、詳しくはこぐま会HPをご覧ください。

国立小学校のおすすめ問題集・理英会 全国国立小学校入試対策シリーズ

理英会出版 全国国立小学校入試対策シリーズ
理英会出版の「全国国立小学校入試対策シリーズ」は全国の国立小学校を網羅しており、志望校が決まっている方におすすめの問題集です。課題の冊子、入試に関する情報が詰まった冊子、課題文や解答をまとめた冊子の3冊構成となっています。収録されている問題数は各学校の問題集ごとに異なりますが、いずれもおおむね80ページ前後のボリュームで、価格は一律4,950円です。

都立小学校(東京都立立川国際中等教育学校附属小学校)の試験対策

2022年4月に開校した東京都立立川国際中等教育学校附属小学校は、公立では全国で初めての小中高一貫校です。開校してまだ間もないため試験に関する情報は少ないのですが、学校がこれまでの過去問を公開しています。また、いくつかの出版社からは問題集も出版されているので、過去問の回答や解説を参考にしながら出題傾向を把握しましょう。
なお、東京都立立川国際中等教育学校附属小学校では、国立小学校と同様に通学区域制限が設けられており、募集にあたっては抽選も行われています。応募する前に必ず児童募集要項を確認しましょう。

実際の過去問

東京都立立川国際中等教育学校附属小学校では、過去の適性検査を学校HPにて公開しています。
令和5年度は、45分間の筆記試験に加えて、30分間のインタビューおよび運動遊びが実施されました。筆記試験は5つの大問で構成され、「お話の記憶(物語)」「常識(自然科学や日常の物事)」「数・図形(数量や図形)」といったよくある出題内容に加えて、「論理的思考」や「指示された内容を正しく理解する(運筆・塗り)」といった内容も出題されています。
問題および解答例、さらに解答用紙もあるので、実際の試験をシミュレーションするのにも役立ちます。筆記A、筆記Bという2種類の試験用紙がいずれも公開されているので、異なる問題に2回取り組むことができます。

東京都立立川国際中等教育学校附属小学校おすすめ問題集・こぐま会「過去問とっくん」シリーズ

こぐまオリジナル知育教材 入試対策 「過去問とっくん」シリーズ
最新の入試問題を収録して毎年改訂される年度版の過去問題集です。1ページずつ切り離せるのでお子さまも取り組みやすく、本番の試験を想定したシミュレーションにも適しています。東京都立立川国際中等教育学校附属小学校は学校HPに過去問を公開してはいますが、こぐま会ならではの入試分析をまとめた小冊子が魅力です。
東京都立立川国際中等教育学校附属小学校の過去問は、2023年度版は直近1年分(2022年試験)のみが収録されており、価格は3,080円でした。2024年度版の収録年数や価格はまだ決まっていないため、詳しくはこぐま会HPをご覧ください。

東京都立立川国際中等教育学校附属小学校おすすめ問題集・日本学習図書 過去・対策問題集

日本学習図書 東京都立立川国際中等教育学校附属小学校 過去・対策問題集
日本学習図書では、小学校別の過去問題集を数多く出版しています。学校によっては出題分野ごとに分冊になっており、セット購入も可能です。1枚ずつ切り離せるプリント式で、すべての問題にアドバイスがついているのが特徴です。
2022年4月に開校した東京都立立川国際中等教育学校附属小学校の場合、過去問題の蓄積がまだ少なく、2024年度版の過去・対策問題集では2022年度と2023年度の過去問題が掲載されています。

まとめ

小学校別の問題集や過去問題集は、志望校の出題傾向の把握や、試験のシミュレーションにも役立ちます。出題傾向の分析や解き方のポイント、解答例や解説などが充実しているため、ご両親も問題集をすみずみまで目を通し、試験対策に活用してください。また、必要に応じて単元ごとの問題集を取り入れながら、苦手分野の復習や出題形式に慣れていくのがよいでしょう。

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水島 なぎ

水島 なぎ

「書く・編む・正す ことばのよろず屋」を掲げる、フリーランスのライター・編集者。1985年生まれ、京都府在住。同志社大学文学部文化学科美学及び芸術学専攻卒。出版社で資格学習や学参分野のテキスト・問題集を企画編集していた経験をもとに、教育・育児、学術分野などのWebメディアの記事執筆や編集、書籍の編集を手がける。2017年に長女を出産した一児の母。

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